オリーブオイル、MCTオイル、えごま油、アマニ油など、体にいいといわれる油は数知れず。
MCTオイルってなんやねん?と思った人は多いのではないだろうか?
私も、MCTオイルってなんやねん?と戸惑ったうちの一人である。
今回は、MCTオイルについて薬学、有機化学を交えて考察していく。
MCTオイルに詳しくなり、いい油を選択していこうではないか。
MCTオイルとは
有機化学的表現で中鎖脂肪酸トリアシルグリセリド(Medium Chain Triglycerides)のみで構成された油である。
簡単に言うと、グリセリンに中くらいの炭素鎖の脂肪酸がくっついた油がたくさん入っているってこと。
MCTオイルの原料
MCTオイルの原料はココナッツ油、パーム油などである。
これらヤシ科植物の種子の核から摂れる油は約60%が中鎖脂肪酸から構成される。
ここから中鎖脂肪酸トリアシルグリセリド(MCT)のみを抽出して無味無臭のMCTオイルが製造される。
あまり知られていないが、MCT オイルは 40 年以上前から製造されており、栄養補給として医療現場でも活用されている歴史がある。
MCTオイルの特徴
MCTオイルは常温で使用するものである
MCTオイルの中鎖脂肪酸とは厳密には炭素数8~12の脂肪酸の以下の3種で構成されている。
・C8:0 カプリル酸
・C10:0 カプリン酸
・C12:0 ラウリン酸
※Cは炭素数、0は2重結合の数を示す。
これら中鎖脂肪酸は炭素鎖同士の分子間力が低いため融点が低い。
そのため常温での流動が高いメリットがあるが、沸点が低く加熱した場合(160度以上)に発煙する。
つまり加熱調理にはまったく使えない油というわけだ。
※MCTオイルは無色
このようにサラダに直接MCTオイルをかけたり、コーヒーにMCTオイルを入れて飲むのがオススメだ。
以下の記事はバターコーヒーの記事だが、MCTオイルを使用してもおっけー。
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体に溜まりづらく、エネルギーになりやすい油である
脂質1gの消費カロリーは9kcalと聞いたことはある人は多いだろう。
MCTオイルも物理、生物の法則は無視することはできなく、1gの消費カロリーはもれなく9kcalである。
にもかかわらず、MCT オイルは吸収、代謝過程の特徴により「体に溜まりづらい油」、「エネルギーになりやすい油」と言われる。
それはなぜか?
食用油を摂取した場合、通常は
小腸で消化→吸収→リンパ管→静脈→脂肪組織に貯蔵→必要時に肝臓へ運ばれる→β酸化でATPへ変換→エネルギーとして利用
といった工程をふむことになる。
しかし、MCTオイルは
小腸で消化→吸収→門脈→肝臓→→β酸化でATPへ変換→エネルギーとして利用
といった代謝経路をたどる特徴がある。
つまり、脂肪組織へ貯蔵の工程を踏むことなく、血中からすぐにエネルギーとして利用できるため
「体に溜まりづらい油」ということができるワケだ。
また、食用油よりもMCT オイル摂取後は血中のケトン体値の上昇、中性脂肪の上昇抑制が報告され、他の栄養成分の代謝にも影響することが示されている。
まとめ
- MCTオイルは中鎖脂肪酸で構成され、主にココナッツ油やパーム油から抽出される。
- 加熱には向かないためサラダにかけるかコーヒーに混ぜるのがおすすめ。
- 体に溜まりにくく、エネルギーとして即座に利用される特徴があり、代謝プロセスも通常の食用油とは異なる。
- 血中のケトン体値の上昇や中性脂肪の上昇抑制など、他の栄養成分の代謝にも影響を与える可能性がある。
最後に、ほかのオイルに関しても今後解説していく予定なので、よかったらブックマークしていってくれ。